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【亡くなったはずの妻がAIで復活!?】

アルツハイマーになったおじいさん。


亡くなった妻が生成AIによって構成されたアバターとして、夫を救う。


たとえば、彼が1人で徘徊して道に迷ったとき、スマホの画面のアバター妻に話しかけると、配車アプリで迎えのタクシーを寄越してくれる・・・



これは、一橋大学ソーシャル・データサイエンス研究科に所属して未来予測をしている学生の書いた映画の脚本の1シーンです。




実社会ではみのもんたさんが奥さまに先立たれ、あまりに寂しくてしばらく骨壺をテーブルに置き、骨壺に話しかけながら晩酌していたという話を聞いたことがあります。


取り残されたご遺族が故人を偲んで語り掛ける。


そんな従来からのコミュニケーションの在り方が、生成AIが介在することで、大きく変わる。


フランスの映画批評家のアンドレ・バザンは、「人は永遠の若さを防腐処理したミイラにして残そうとしたい欲望を持っている」とし、写真映像の存在論の原点を「ミイラ・コンプレックス」と称しました。


私がシニアの人たちと接していて、従来は自分史として今までの歩みを残そうとするのが一般的でした(文学だけでなく映像の分野でも)。


しかし、生成AI(コンピュータが学習したデータを元に、新しいデータや情報をアウトプットする技術)をフル活用し、この人だったらこういう言動をするだろうと入力されたデータをもとに、故人の言動を再現できるようになりつつあります。


実用化までかなりのところまで来ているので、過去の自分を残すのではなく、未来に向かって自分を残すことができるのは大きな転換だと受け止めています。


AIやVRなどを研究し、未来予測を映画化しようとするゼミを運営されているのは、一橋大学ソーシャル・データサイエンス研究科の檜山敦教授(日本のVR研究の第一任者のひとり)です。


檜山先生とは、クラウドを活用したチームマッチングによるシニア就労の研究にご一緒して以来で、今日は、学生によるプレゼン講評を映像作家の立場からということでゼミに関わりましたが、むしろ、こちらが勉強になることばかりでした。


今回のプレゼンでは、脚本作成までということでしたが、多くの記録映像制作者が不得手としがちな、ストーリーラインやこの世になかなかない着眼点を提供してくれる檜山先生のラボ。


他の美大で映像を制作している学生やドキュメンタリーの題材を探しているプロダクション、テレビ局の皆さんには、ネタ集めの宝箱として推奨いたします。




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